LEGO® TRAINS in JAPAN
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レゴ ®トレイン(LEGO®Trains) とは、組み立て式ブロック玩具であるレゴ®ブロックで構成された鉄道車両および線路や駅などの鉄道関連設備を含む製品シリーズおよびテーマのことを言います。
レゴ®トレインは、2006年からレゴ®シティのサブテーマとして組み込まれおり、子供だけでなく大人のレゴ®ファン(Adult Fan of LEGO/AFOL※)にも人気があります。このシステムは、伝統的な鉄道模型のスケール(縮尺)やゲージ(軌道)にちなんで、AFOL※の間では「Lゲージ」と呼ばれることもあります。(※エイフォルと読みます。レゴ®グループの間でも使われている用語です。)
レゴ®トレインの線路は、37.5 mm 幅のゲージ(1+15⁄32 インチ)の軌道を使用しており、標準軌(1435mm)を基準とした場合、約 1:38 の縮尺に相当します。伝統的な鉄道模型で言うと1番ゲージとOゲージの間の大きさとなります。しかし厳密に1/38の縮尺でレゴ®トレインを作っているわけではありません。
(l-gauge.orgより引用。 1:40と記されているが、ゲージに基づいた厳密な計算をすると1:38)
日本のレゴ®トレインファンの間では伝統的な鉄道模型とは違い、厳密なスケール(縮尺)よりも、車体幅の大きさによってジャンル分けされる傾向にあります。
たとえば、レゴ®社が販売している製品の車両幅と同じ6スタッド幅で作る6幅車、1:38の縮尺により近く、より車体が大きい8幅車、そしてその中間となる7幅車などがあります。世界的には8幅が主流ですが、日本においては6幅車が最もポピュラーなジャンルとなります。(1スタッド=約8mmです)
2023年現在の製品ラインナップ (LEGO®CITYシリーズ)
2023年現在、旅客列車、貨物列車、駅、別売り線路セットが販売されています。製品の鉄道車両の幅は6スタッドであり、この規格や世界観に合わせて作るものが6幅車という分野です。
特に6幅車の世界では、レゴ®ブロックのパーツ形状ゆえの制約に応じ、実物の鉄道車両の比率とは異なる形や大きさにデフォルメされる傾向にあります。簡単な例を挙げると、4つドアを3つドアにする、窓の数を実物よりも少し減らすなどです。そのデフォルメの仕方により、スケールが以下の3種類に大別されます。この場合のスケールは縮尺ではなく1両あたりの車体の長さを意味します。ここではわかりやすく、電車・気動車・客車の長さで示すことにします。
①製品準拠の大きさであるシティスケール(車体長28-32スタッド程度) 日本国内で最も主流なスケール
②20メートル車を40スタッドと解釈する省略が少ないフルスケール (車体長40スタッド程度)
③デフォルメがより効いたショートスケール(車体長24スタッド程度)
電気・ディーゼル・蒸気機関車の場合は長さが変わります。
6幅車 スケールごとの作品例①シティスケール(上) 東武500系リバティ by mugen
①シティスケール(下) JR東日本E259系成田エクスプレス by マツタケ所長
②フルスケール: JR東日本 夢空間・北斗星 by隼
③ショートスケール: フランス国鉄SNCF BB9200形電気機関車 + Corail客車編成 by薬師山
大型モデルと言われる8幅以上の車両では、体積が大きくなる分、表現の幅も大きくなり、実物の車両により近い縮尺で作られる傾向にあります。伝統的な鉄道模型に近いといえましょう。サイズが大きいと解像度も上がるので、モデルにする実物の観察が不足していたり、デザイン上の妥協や省略をしすぎたりすると大味で貧弱なモデルとなる恐れがあり、中途半端が許されない難易度の高いものとなります。しかし、完成度が高い8幅車モデルは言葉にできない迫力があり、伝統的な大型鉄道模型にも引けを取らないレベルに達します。
右:国鉄EF66形電気機関車 by Katsuaki Matsubara
レゴ®トレインに限らず、レゴ®ブロックの世界では、パーツを刻んだり塗装したり加工することは基本的に「御法度」とされており、一般的なプラモデルや鉄道模型よりもデザイン上の制約が大きくなります。そして作るモデルのサイズが小さいほどよりその制約が強くなります。各パーツは無加工の状態で使う必要があり、その制約のもと、試行錯誤をしながら組まれた鉄道模型がレゴ®トレインの大きな特徴です。また、レゴ®ブロックそのものの長所でもありますが、作ったモデルをアップデートしたり、一度全て解体して1から作り直したり、または別の作品の資材にする等、パーツの再利用が可能なのもレゴ®トレインの大きな強みとなります。
2023年12月3日 記 マツタケ所長